ご両親などから不動産を相続で譲り受けるケースは多く、これからの高齢化社会においては益々そういったケースも多くなるでしょう。
ただ、実際に不動産を相続したときに遺産を分割するには、様々な要因が絡んで容易にはいきません。
さらに、不動産が遠方で放置してしまったり管理が難しかったりと労力を伴うケースがあります。
いざ不動産を相続したときに困らないようにどうするべきかといったことを学んでいきましょう。
記事の目次
相続した不動産の放置は税金の節税や評価で損をしてしまう
突然ですが、あなたは相続した不動産をどうしていますか?
実は多くの人が相続した不動産でやってしまいがちなミスとして、不動産を放置してしまうことがあります。先祖代々の土地を売却するのに引け目を感じたり、売却手続きが面倒であったり、いつか住むためにといった理由で放置してしまうケースは非常に多いです。
ですが実際には活用をしていない不動産であっても保有しているだけで実は税金がかかってしまったり、いざ売却をしようと思ったときには当時の評価額より価格(価値)が下がってしまったりするなど不動産を放置することに百害あって一利はありません。ここではその理由を確認してみましょう。
放置しても税金はかかりっぱなしで節税面からはデメリット
日々忙しい方にとっては、相続した不動産を売却したり有効活用したりとテキパキ動けるケースは非常に稀だと思います。ましてやサラリーマンの方であるほどお住いの近くではない不動産を積極的に動かしていけるケースは少ないと思います。
だからと言ってそのまま放置をしていると家計にデメリットがあります。
それは不動産は保有し続けているだけで毎年、固定資産税という税金がかかってしまてしまいます。
固定資産税は相続する不動産評価額が多ければ多いほど、馬鹿にはなりません。特に不動産は単価が高いものなのでかかってくる税金も高いのが一般的です。なので放置するくらいであれば売却をするということも検討しましょう。
放置すればするほど売却するときの評価が下がってしまう理由
もともと相続した家にそのまま住み続けていくのであれば維持・管理はなされていくので問題ないでしょう。
しかし、相続した不動産に起こりやすいケースとして、今自分が住んでいる場所でない相続した実家が遠方であり実際に行くことができなかったり、相続したばかりで誰が管理をしていくかを決めてしないケースで放置をしてしまうことがあります。
家というのは不思議なもので人が住んでいれば管理できて維持が出来るのに対して、人が住んでいないとあっという間に家が傷んでしまうということは往々にしてあります。
いざ、売却を検討するときに管理がされていないボロボロの家を見られてしまうと印象は悪く、売却査定価格にもよくない影響を及ぼす可能性が高いです。
また、建物評価は年数が経てば経つほど不動産としての価値は下がってしまいます。相続不動産を売却したいその時にかつてほどの評価がされないということが起こってしまいます。
別の観点から見れば、住んでいる気配がない不動産には、タバコやゴミが投棄で捨てられてしまったりと近隣の人たちにも迷惑をかけてしまったり、全く知らない人が居ついてしまったりと良いことはありません。
やはり相続した不動産を放置して良いことはないと言えるでしょう。
マンションは耐用年数がなくなるほど、査定金額が下がります
相続した不動産でマンションがある場合には、注意が必要です。
なぜなら、マンション(戸建てにも)には、建物の耐用年数が存在します。耐用年数がなくなればなくなるほど、マンションの査定価格に影響することになります。
そのため、マンションの耐用年数がある状態で売却をする方が高く売れる可能性が高いです。
マンション売却を検討している場合、マンションの査定価格を知っておくことは早い方が良いです。無料の不動産一括査定サイトなら複数の不動産会社の査定価格を知ることができます!不動産会社によって査定価格は異なりますので、マンション売却相場を把握しておきましょう!
兄弟や複数の人が相続した場合は早く売却して現金化したいケースが多い
実際に相続する時に一人だけであれば単独で相続を受ければ良いものの、実際には兄弟であったり子であったり複数の人が絡むケースが多いもの。
その時に遺産分割をどうするであったり、相続不動産はトラブルの種となります。
ここでは、どういったケースが存在しているかを学び、どう対応をするべきか対処法を学んでいきましょう。
ケース:相続した不動産に自ら住んでいて他の相続人に早く売却して現金化したいと言われている
もっともこれが多いケースといえるのではないでしょうか。もし相続人が他におらず、単独相続できているのであれば相続した不動産に住み続けることにおいて、おそらく問題は発生しづらいと思います。
ただ、多くの場合には兄弟であったり子であったりと複数の相続人がいるのが一般的なので、住んでいる自分以外の相続人は早く売却して現金化したいというケースの方が多いのではないでしょうか。
こういったケースでは当事者の意思が相反するので、相続不動産をどうするかの解決に時間がかかることが多くなってしまいます。
ただし、残念ながら当事者の方には
他の相続人の権利を侵害しているということを理解してもらう必要があるでしょう。
ただし、住んでいない相続人がそう促す時には、愛着があってこそ住み続けたいと思う気持ちを考慮してあげてほしいものです。
もし、他の相続で預貯金などがあり配分に調整の余地があれば良いのですがそうもできない場合には引越しの配慮など心遣いをしてあげながら話を進めてあげましょう。
また、こういったケースでは当事者同士だけでは感情的になり解決するのに時間がかかってしまうため早めに第三者に相談するのが良いでしょう。さらに不動産会社に相続不動産の売却だけではなく住んでいる人の引越しなど相談できる不動産会社を見つけてあげるのが良いでしょう。
相続した不動産を共有持分として分割する方法もあるが…
相続する時に、持っている土地を分割して相続するという方法もありますが、これは売却する時に広さが一緒ではあるものの分割の方法によって有利不利が働くことがあるので、これはあまりオススメはしません。
あまり起こりうることはないと思いますが、極端な例で片方が道路に面していて片方が道路に面しておらず新しく建物を建てることができない再建築不可の空き家を保有したらどうでしょうか。
これでは片方が有利でもう片方に不利ということになってしまいます。
では一体どうすれば良いでしょうか。
もし、既に相続した不動産を共有持ち分にしてしまった人は下記の記事も参考にしましょう。
相続全員ではなく代表相続人が不動産を売却活動を進める
相続した時には前述の通り相続人が複数人いるケースが多数であり、その場合は相続した不動産は相続した人全員の共有不動産となります。
だからと言って、相続人全員が一斉に不動産の売却活動を進めたらどうでしょうか。
ある相続人が出す価格と違う相続人が出す価格とで全く違っている場合には、購入者も混乱するのではないでしょうか。
そういった場合には購入者から見ても果たして購入できるのかと懐疑的になり意欲を削ぐ行為になってしまうかもしれません。
ではどうすればいいでしょうか?
解決策の一つは、相続不動産の売却活動を行う人を代表相続人として動いてもらうことです。
これであれば、購入者の人との調整窓口が一つになり、他の相続する人は売却手続きに関与することはありませんので、現金化できた時に受け取るということができます。
ただ、この方法では相続した不動産に対しての価格査定に懐疑的に思う他の相続人もいるかもしれません。
その時には、複数の不動産会社から売却価格査定を行い価格相場を理解してもらう必要があります。
実際に不動産の査定を行いオープンなスタンスで売却活動を進めることができれば売却活動もスムーズにうまくいくのではないでしょうか。
相続不動産を早く売るには買取という手法も
一般に不動産の買い手が見つかるにはそれなりに時間がかかります。
とは言え、早く相続した不動産を現金化したいという相続人の思いもあるでしょう。
その時には一般の相場よりは多少低くなってしまうかもしれませんが不動産会社に買い取ってもらうという方法もあります。
ただ、これは一般的には相場より低くなってしまうので割り切る覚悟も必要です。
不動産会社によっては、買取に対応していない会社もあるため色々な不動産会社に話を聞く必要もあるでしょう。
その時には通常の売却活動を並行して進めることもできるので、複数の不動産会社に売却価格査定を行いつつ進めていくのが良いでしょう。
不動産が田舎の土地などで管理・維持に困っている。
相続した不動産が近所にあって、その後も維持管理することができれば何も問題はないのですが多くの場合はそうではありません。
実際に相続した不動産が遠方で田舎の土地だったりする時には、月一回でも土地を見に来て管理して上がるのは大変ではないでしょうか。
大変だから、少しぐらい大丈夫という風に思って管理をせず放置をしていると一つとしていいことはありません。
いざ購入者が土地を見に来た時に、管理がされておらず家が痛み、ゴミが投げ入れられていたり、いる人がいないはずなのに勝手に居ついてしまっているシーンに購入検討者が出くわしてしまったらせっかくの売却のチャンスを見逃すことになってしまいます。
そうなってしまう前に田舎の土地を相続して管理維持に困りそうであれば、早期の売却活動をすることをお勧めします。
ひいては早く売却活動をすることが、相続した不動産を高く売る秘訣の一つでもあります。
相続した不動産は名義変更をしないと売却できない
いざ売却活動を始める時に相続した瞬間からすぐに始めることは難しいです。
それは、相続した不動産が相続された人の名義になっていないと売ることはできないのです。
名義変更自体は、売却時までにすれば良いのですが、いざ売却時に相続のうちの誰かが同意しないことになってしまったらせっかくの売却するタイミングを逃してしまうことになりますので早めに名義変更しましょう。
名義変更のための相続登記は自分でもできますが、手続きが複雑なので専門家に相談するのがよいでしょう。
相続した不動産の売却は早めに専門家に相談をすること
以上が相続した不動産を売却する時の説明となりますが、決まって共通することは相続は複数の相続人が絡むケースが多く、それがトラブルの元となりやすいです。
トラブルになってしまうと感情的になり、解決に時間がかかってしまうなど良いことはありません。
そうなってしまう前に早めに専門家に相談を行いスムーズに売却活動ができるようにしましょう。
弁護士もそうですが不動産会社も専門家ですので相談に乗ってくれると思います。ただし不動産会社によっても得手不得手があるので、いろいろな観点からアドバイスをもらうという意味では複数の不動産会社に一括査定をお願いして力になってもらえる不動産会社を見つけるのが良いでしょう。