両親が亡くなられたときには、子供らが遺産を相続することになります。その中には不動産も該当します。そして、不動産を相続した時には、相続税が発生するので支払いをお願いすることになります。
今回はその相続税が支払えなくて滞納してしまったときの場合の対処法について説明をします。
納付期限までに税金を支払わない場合、延滞している相続人に対して、督促・財産の換価処分・差押えなどの行政処分を受けることになります。万が一、督促状を受理した場合、その後の行政処分に繋がらないよう、速やかに対応する必要があります。
なお、相続税は、相続人全員が、連帯納付義務を負うことになります。延滞している相続人がいる場合、別の相続人に対しても、原則的には、相続税と利子税の請求がなされることになります。
記事の目次
不動産の相続税とは?
そもそも不動産を相続した時に払うことになる相続税は、法務局に支払う「登録免許税」と相続税申告を税務署で支払う「相続税」があります。これらの申告に加えて税理士や司法書士に依頼をする場合は、個別に費用がかかることになります。
相続税逃れで時効成立は可能か!?
住民税や相続税など1度は払いたくないと思ったこともあるかもしれません。支払わずに逃げきれるのであれば払いたくないものです。果たして相続税は時効があるのでしょうか。
民法では、「時効」という言葉があります。それは相続税でも例外ではありません。具体的には下記のような、相続税の事項発生要件があります。
時効による相続逃れをオススメしない理由
5年もしくは7年経過すれば、相続税が消滅することは説明しましたが、時効を狙いに行くことはオススメしません。なぜなら下記のようなペナルティ発生するからです。
- 相続税の延滞税(相続税の期限内納付をしないペナルティ。)
- 無申告加算税(申告書を提出しなかった場合のペナルティ。)
- 重加算税(意図的に隠していた場合などのペナルティ。)
なぜ不動産の相続税が払えない?
では、なぜ不動産の相続税が払えなくて滞納になってしまうのでしょうか?そこには相続税を支払うにあたって、税金計算の対象となる金額が大きいことと、支払うタイミングに問題があります。
相続税の支払い期限
相続税の納税は、延納・物納が認められたときを除き、原則、現金一括支払いとなっています。そして、支払うタイミングは相続が開始(被相続人が死亡)されてから10か月以内に申告・納税をしなければなりません!
不動産相続税の金額
この10か月以内に相続税を支払わなければならないのは、短いと思うでしょうか。それとも十分だと感じる長い期間だと思うでしょうか。
私はもちろん個人差はありますが、不動産という大きい価格にかかってくる相続税を10か月以内に用意するのは困難なことが起こりうると考えられます。そのため、相続税を忘れていて支払期限が迫ってきたときには、支払いが難しくなることがあると思っています。
不動産相続税滞納の延滞利子
そして、相続税が支払えない場合、完納するまで延滞税がかかってくることになります。どの支払いを滞納しても延滞したことによる利子がかかってきますが、不動産相続税がかかる場合には注意が必要です。
それは、相続税の計算の元となる不動産の価格がそもそも高いからです。金額が高ければその分、延滞税による金額が大きくなるからです。1度延滞をしてそのまま放置してしまうと税金は雪だるま方式に増えてしまいます。
後になればなるほど対処に困ることになりますので、延滞をしないということが大原則であるという認識を持ちましょう!
そして、延滞が続くと督促状が送付されることになり、財産の換価処分や差し押さえなどの行政処分を受けることになります。
不動産の相続税の滞納をした時の対処法
もちろん、不動産の相続税を期限内以内に支払えていれば問題ないですが、残念ながら避けられないケースもあります。その時にどうすれば良いかの対処法を知っておきましょう!
対処法①:相続税を分割して延納をする20年間の分割
相続税は最大20年間分割をして延納をすることができます。一気に支払うことになる相続税は家庭の負担になることができます。その時に選択する一つの方法として、相続税の分割して延納をする手段があります。
(国税庁より)国税は、金銭で一時に納付することが原則です。しかし、相続税額が10万円を超え、金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として、担保を提供することにより、年賦で納付することができます。
これを延納といいますが、この延納期間中は利子税の納付が必要となります。
そして、国税庁が示す延納をすることの要件は下記になります。
(国税庁より)
(1) 相続税額が10万円を超えること。
(2) 金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること。
(3) 延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること。
ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。
(4) 延納申請に係る相続税の納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること。
ただし、延納をすることによるデメリットとして、基準利子に応じて利子がかかるという点があります。その利子は相続による不動産の割合によって違いますが、最大で6%かかることになります。
対処法②:不動産を物納する方法
相続税の支払いにおいて、現金預貯金ではなく不動産を納めるという物納という制度があります。ただしこの物納が適用となる要件は延納より厳しいです。
延納をしたとしても支払いが困難であり、かつ物納に適した不動産であることが国が認めた場合に適用されます。国税庁が示す要件は下記になります。
(国税庁より一部抜粋)
(1) 延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額を限度としていること。
(2) 物納申請財産は、納付すべき相続税額の課税価格計算の基礎となった相続財産のうち、次に掲げる財産及び順位で、その所在が日本国内にあること。
(3) 物納に充てることができる財産は、管理処分不適格財産に該当しないものであること及び物納劣後財産に該当する場合には、他に物納に充てるべき適当な財産がないこと。
(4) 物納しようとする相続税の納期限又は納付すべき日(物納申請期限)までに、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出すること。
対処法③:不動産を売却して相続税を支払う
これは文字通り不動産を売却することで現金化を行い、相続税を支払うということになります。相続を開始してから10ヶ月以内に納税をするという観点からすれば、現金化をするまでには十分に時間はあると思います。
必ずしもすぐに売れるわけではないので、相続をしてから売却活動は早めに行うようにしましょう!
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最近の不動産会社による相続税の立て替えサポート
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