みなさんの中には古家となった空き家を売却する時に、早く売れるために古家を解体して売却に出すということを検討する人もいるのではないでしょうか。
もちろん古家解体をした方が、高く早く売れる可能性はあります。一方で古家解体をする前は、事前に注意点があり、それを考慮しないと折角の解体が失敗になってしまう可能性があります。その注意点を理解した上で解体をするようにしましょう。
今回はその注意点を説明いたします。
古家解体することのメリット・デメリットは下記の記事で紹介しています。まだ知らない人はこちらも要チェックです。
記事の目次
解体前の注意点
注意点①:再建築不可ではないか
再建築不可は特に代々持っている土地の場合で昔から所有している土地区画が変更されていない場合にあったり、住居が緊密して建てられている場合などに発生する場合が多いです。
都会だからこそ残ってるのかもしれない。高度成長期に建てられたアパートがその後の建築基準法や都市計画の改正で再建築不可の土地に指定されたのがそのまま残ったりしてんの。
— 耳氏@1968 (@mimishisan) 2017年11月24日
住宅が密集している都会だからこそ、再建築不可の物件が多いのかもしれません。
多くの例では、土地が接道義務を果たしていないために再建築不可になってしまうことがあります。
接道義務とは?
土地は原則として建築基準法に適した接道義務があります。その接道義務とは、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上、所有している土地が面している必要があります。
国土交通省令(建築基準法施行規則第10条の2)より
二、その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員4メートル以上のものに限る。)に2メートル以上接すること。
三 その敷地が、その建築物の用途、規模、位置及び構造に応じ、避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する通路であって、道路に通ずるものに有効に接すること。
上記より重要な注意事項として、売却予定の古家付き住宅の土地がそもそも再建築不可になるかならないかの事前確認が必要でしょう!
注意点②:建てられる家の面積(建ぺい率)が小さくなる
所有している土地の面積に対して、建てることができる家の面積は法律で決められています。そのことを建ぺい率と言います。例えば、100㎡の土地の面積に建ぺい率が60%である場合、60㎡が建てることができる面積となります。
それが何の問題を招くかというと下記のようなケースでは、建てられる面積が小さくなる可能性があります。
それは、今の古家が当時に建てられた昔の建ぺい率と今現在の建ぺい率が下がってしまっていると、単純に建ぺい率が下がった分、建てられる家が小さくなってしまうということになります。
そのため、解体して土地を売る場合には、建てられる家の面積が小さくなってしまい、売却価格に影響を与える場合があるということです。
接道義務 接道義務とは、建築物の敷地について幅院4m以上の道路に2m以上接しなければならないこと決まりのこと。接している道路の幅が4mに満たない場合は中心線から2m敷地の縁を後退させなければならない。(セットバック) #2級FP #2級FP技能検定
— 2級FP試験重要単語 (@get_secondfp) 2018年1月7日
現在再建築不可となってい物件が、接道義務を果たすため、土地の面積を減らして(セットバック)して再建築不可の条件を外すこともあるようです。
注意点③:境界がどうなっているか
いざ解体を進めるときに必ず確認が必要なのは、その土地と隣の土地に境界杭があるかどうかを確認することをオススメします。もし、境界杭がないということは、境界が曖昧で隣地との境界がわからないということなので、撤去や解体工事をする時に隣地の人とトラブルになってしまう可能性があります。
そのため、境界がどうなっているかについて事前に確認する必要があると言えるでしょう!
注意点④:埋設物がないか
実際に解体工事をしてみないと分からないこともあると思いますが、いざ解体工事が始まったときに地中に埋まっていた埋設物があるかもしれません。その場合には、産業廃棄物などとして、追加の処分費用がかかってくる場合になります。
いざ、そのときに追加費用が突然降ってくることがないように、できるだけその可能性があるのかどうか確認が必要でしょう。
川越市内の現場です。
コンクリートで出来た花壇をひっくり返したら中から瓦が出てきました。解体工事ではこのような地中埋設物が出る事がよくあります。
担当:折田 pic.twitter.com/v2HKXdVlvP— 解体工事のフェイス (@kkface21) 2014年7月17日
上記のような例は実際に解体をしてみないとわからない地中埋設物となります。コンクリートを解体して見て、瓦や大量のゴミ、井戸などが出てくるということもそんなに珍しいことではありません。
しい買主が損害賠償請求をすることも考えられます。場合によっては、隠れたる瑕疵として請求を認める判決が中にはあるようです。[/aside]
注意点⑤:中間マージン取られないように
よくハウスメーカーや工務店に依頼をしても、自社で解体工事を行わず下請けなどの解体業者に斡旋をするときに上乗せされる手数料のことです。
マージン費用がどれくらいかというと、解体費用価格の2〜3割程度が手数料として費用に上乗せされています。
そのため直接下請けの業者に依頼をするよりは高いと言えますが、解体工事の施工管理はしっかり行われるはずですので、それを高いか低いか、下請け直接の方が良いのかと言ったことは、価値観次第で考えが変わると思います。
もし、中間マージンが取られているかどうかは分かりづらいですが、一つの方法として複数の業者に相見積もりをとり、価格を比較してみることで推測することはできるでしょう。
新築予定地の建造物2棟の解体費用200万
通常であれば住宅メーカーに中間マージンで40万ほど上乗せされるが解体業者に直接依頼することで節約するのだ— Горe и река (@Tyamakawa7019) 2017年1月17日
上記のように中間マージンをなくすことで費用を抑えることができる可能性は高いです。
注意点⑥:補助金・助成金の活用
全国的にも空き家は増加傾向にあります。そして、その古家となった空き家は近隣に迷惑をかける可能性があります。
そのため各自治体としても増える空き家を深刻に捉えているので、助成金を出してくれる自治体もあります。各自治体によって助成金や補助金は異なりますので、個別に自治体に相談することをオススメします。
増える空家に関する記事は下記を参考にしてください。
注意点⑦:見積もりは業者によって変動が出る
解体する前に解体費用の見積もりを業者に依頼することになると思いますが、実際に複数の業者に見積もり依頼をすると金額の提示額に、開きがあることがわかります。
そのため、解体工事業者の会社規模や工数単価によって金額が違うので複数の業者に見積もりを取ることを比較します。
安さだけで選ばないこと
実際に見積もりを取ってみると価格に開きはありますが、それではただ安いだけの業者を選べばよいかというとそんなことはありません。見積もりを詳細に見比べてみる必要があります。
具体的には、見積もりの各項目ごとを各社見比べてみるのがよいでしょう。その時他の会社にあってないような項目に関しては、書かれていない会社にその作業が含まれているのかどうかを確認するようにしましょう。
実際に細かいところの見積もりを比べてみないと、どこまでの作業が費用に入っているかどうかがわからないのです。いざ、安さだけで選んでみたら追加費用を請求されて、もともと比較した業者より高くなってしまうということが起こりえてしまうからです。
まとめ
以上、古家を解体する前に確認した方がよい注意点7つをお伝えしました。解体工事をしてしまったら過去に時間を遡ることはできませんので、事前に解体して問題がないかどうかを確認しておくことをオススメいたします。