皆さんが住宅ローンの返済で気をつけるべきことの1つに、住宅ローンの返済負担率というものがあります。
あなたは一体住宅ローンの返済負担率はいくらが適正だと思いますか?
今回は返済負担率が何%が適当なのかを説明していきます。
記事の目次
住宅ローンの返済負担率とは
住宅ローンの返済負担率とは、年収から住宅ローンの返済負担を考慮する1つの指標です
前回公開した記事に「年収と借り入れ額の目安」について説明しましたが、もう一つ借入額を決める指標に返済負担率があります。
住宅ローンの返済負担率とは、額面の年収に対して住宅ローンの年間返済額が占める割合を示します。
返済負担率の計算式
返済負担率を求める式は、「年間返済額は÷額面年収×100」で求めることができます。
返済負担率の理想は20%以内
結論ですが、私の返済負担率の理想は20%以内です。
返済負担率が20%と言うと、「そんなことない!銀行の審査では30%でも審査に通ったぞ!」と言う人もいるかもしれません。
確かに、年間の返済額が年収の30%を超えても銀行の審査に通るケースもあります。そのため年収の30%を超えたとしても問題ないと思ってしまう人もいるのです。ただ、それらを信じて30%に基準を置くのはリスクが伴います。
また、人によっては無理がない返済負担率は20%から25%と言う人もいます。
人によって、様々な返済負担率の基準を発言していますが、いったいどの返済負担率が理想なのでしょうか?
確かに人によっては、20%を超えて30%とした場合でも問題ない家計はあると思っています。ただし、それでも私は年収の20%以内に収めることが理想であると考えています。
次に額面年収600万円の場合の返済負担率シミュレーションを見てみましょう!
額面年収600万の返済負担率20%の家計
具体的な年収でシミレーションを行うと、額面年収が600万円の人が返済負担率20%以内とした場合、年間返済額は120万円以内つまり月々の返済額は10万円以内となります。
月々返済額が10万円を借りたケースで逆算すると、みずほ銀行の35年固定の金利1.34%で融資を受ける場合、3,350万円の借り入れが可能となります。
この場合の毎月の返済額は99,966円になり10万円に収まることになります。
額面年収600万で妻と子1人扶養世帯の手取りは470万(月約39万)
ただし、月10万円ともいえども、生活費が多くかかる家庭では楽な数字ではありません。
年収600万円の額面で、妻と子1人扶養している場合、手取りは約470万円程度になります。
つまり1ヶ月あたりの手取りは約39万円となります。この手取り月額約39万円の金額をもって住宅ローンを返済した家計のやりくりを考える必要があります。
この手取り約39万円から住宅ローン万円を引くと29万円となり、さらにこれから、諸々の生活費用を除くことになります。
年収600万円世帯の生活費用は約23万円
一般的に年収600万円の方の生活費用は23万円とされておりますから、住宅ローンを引いた29万円から23万円を引くと、6万円が手元に残ります。
ただし、この生活費の23万円には「教育費用や保険料、マンションの管理費、修繕積み立て金」が入っておりません。
残りの6万円で「教育費や保険料、マンションの管理費、修繕積立金」を捻出することになるのです。
幼稚園月3万円を捻出すると家計はぎりぎり
子供1人に対し幼稚園はだいたい月30,000円位かかるといわれていますので、幼い子供の教育費だけで残った6万円の中からお金を捻出しても、手取り収入を使い切ることがわかります。
これだけを見ても返済負担率20%で抑えたとしても、これだけを見ても返済負担率20%で抑えたとしてもギリギリの家計になることが分かるのではないでしょうか!
将来の支出増加リスクも考慮すること
更に、今はよくても将来的に支出が増加する可能性があることも忘れてはいけません。
忘れがちなのが「住宅ローン控除の10年経過後の支出増」と「子供の中学校卒業後の高校・大学の教育費増加」でうs。
住宅ローン控除は最大10年をもって終了することになります。その控除がなくなることで家計の支出が増えてくるようにもなります。
また、中学校卒業校の高校や大学へと進学すると教育費用負担は高くなります。その時に返済負担率が高くて教育費用に余裕がないと、赤字の家計になってしまう可能性も出てきてしまいます。
以上のように家計の支出を考慮すると「返済負担率20%であっても家計はぎりぎり」であることが分かるのではないでしょうか。これ以上の負担率は危険になってくるのです。
だからこそ住宅ローンの返済負担率は20%以内が理想と推奨しています!
不動産や金融機関の返済負担率シミュレーションが甘い理由
はっきり言って、不動産業者や金融機関に相談しても、返済負担率を30%を進められてしまうケースもあるかもしりません。実際に金融機関では返済負担率を30%としても借り入れをすることができるケースはあります。
それはいったいなぜでしょうか。
理由として「そもそも金融機関の審査は家計の中身を見ない!」ということが根底にあります。あなたの家計がどういうキャッシュフローかなどは見ることがないからなのです。
さらに、金融機関によって審査の基準が異なることが理由としてあります。
金融機関によっては、3%から4%と言う高い金利で返済負担率算出する一方で、1%前後と言う低い金利で審査する金融機関だと、年収600万円でも5,500万円で借り入れができてしまうケースもあります。
家計を分析した上での返済負担率を考慮すべき
返済負担率を考慮する時には、「銀行が借り入れ申し込みができる返済負担率と、家計に無理がない返済負担率とではギャップ」があることを認識しておくべきです。
更に、今はよくても将来の収入が減ってしまうなど悪い方向になってしまう場合もあります。余裕をもった返済負担率を考えるようにしましょう!