親の土地を相続したり、先祖代々所有している土地を売却しようと活動をしてみたところ、「再建築不可となった土地の売却は売れない」と突然言われて、「再建築不可ってなによ?」と愕然とする人も多いのではないでしょうか?
そうなったときに再建築不可の物件は売れないと泣き寝入りするしかないのでしょうか?
今回は、再建築不可の不動産をお持ちの人のために、売却する方法や抜け道といった再建築不可の不動産とどう向き合うかについて説明します。
そもそも再建築不可とは?
そもそも再建築不可とは、いま建てられている住宅を解体して(もしくは更地となっている土地)新しい建物を建てることができないことをさします。
正確に言うと、新しい建物を建てる場合に、法律で定められた建築基準法に違法している状態のことをいいます。
建築基準法では、原則幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接道していなければ、再建築が認められません。再建築が認められないということは、新しい建物が建てられないということになります。
つまり再建築不可の土地、もしくは再建築不可の不動産を売却するときには、購入者が新しい建物を建てることができない状態で取引をするということになります。
再建築不可物件売却のメリット
メリット①:税金や諸費用が安い
では、再建築不可物件の評価価格や税金はどうなるでしょうか?取引価格が低くなるのに対して、税金が高いと損した気になってしまいますね?
結論としては、再建築不可の土地や建物に対する評価額やそれを基にした税金は安くなる傾向があります。間口が狭いことや無道路地ということで減価補正をすることになります。
つまり、固定資産税から不動産取得税や登録免許税が安くなるということになります。(広義の意味では、印紙税や仲介手数料も同様です。)
メリット②:激安物件を探している人に好まれる
立地を最重要視するなら、都心の建築基準法に満たないがために再建築不可物件のアパート、つまり築数十年で風呂なし和室なのに未だに取り壊されてない物件を狙う。「和室+風呂なし+トイレ共同」の3コンボは超不人気なのでめちゃくちゃ安い。都心なら半額にはなる。
— Takechiyo Yamanaka (@takechiyo_yam) 2017年11月19日
とにかく、再建築不可物件は安くなることがわかります。場合によっては都心の一等地が半額程度の価格で買えてしまうこともあるようですね!
再建築不可物件売却のデメリット
デメリット①:売却相場価格の下落
残念ながら再建築不可となった不動産は、同じエリアで再建築可の土地を比較した場合は取引価格が下がる傾向があります。その売却する土地が人気エリアかどうかにもよりますが、5割から7割程度の価格になるのが相場になります。
有吉ゼミですごい安い物件出てきた。とうとう心理的瑕疵物件に手を出したかと思ったら再建築不可物件だった。
— aktsk (@summercreep) 2017年11月6日
テレビ番組で紹介する激安物件のことです。どういった理由かというと再建築不可物件であるからこその安い物件と紹介されました。
やはり、相場より安いことは見る人によってはメリットに映るようですね!
再建築不可を買いたい人はいる?
多くの人は再建築不可の不動産を好んで買うことはありません。一般の人が購入することはほぼないのですが、「都心で安く買いたい人(再建築せず)」や「(家そのままで)収益物件として活用する人」や「隣地の人が購入する」といったような若干特殊なケースでなければ購入したいという人は少ないでしょう!
デメリット②:購入者の住宅ローン審査が通らない
一般には再建築不可の物件を購入する人のほとんどは住宅ローンが通りません。そもそも住宅ローンを銀行から融資する際には、万が一の回収リスクに備えて、ローンの対象となる物件を査定(担保評価)します。
その担保評価をする際に、価値が低い再建築不可の物件に融資をしても回収性は低いと考えるのが妥当です。つまり再建築不可の物件は、住宅ローンを融資してあげるだけの担保評価はないということになります。
結局のところ、再建築不可の物件を購入する場合に亜h、住宅ローンを必要としない人を購入者として探さなければなりません。
再建築不可の抜け道
再建築不可の物件は価格が安く売られてしまうことや購入希望者が少ないですが、再建築不可を再建築可とする術がないのかというとそうではありません。
必ずしも解決ができるわけではありませんが、下記の方法を行うことで再建築不可を売却することができる可能性があります。
どんな方法があるかを勉強しましょう!
抜け道①:購入者にリフォームしてそのまま住んでもらう
かなり特殊ではありますが、古くてもよいからとにかく安い物件を購入したいという人はいます。例えそれが再建築不可で古い物件だとしてもです。
最近ではリフォームをDIYで行ってしまう強者もいます。
ビンボーガール見てて思う。ワシもやりたい。古い家買って自分の力だけでリフォームしたい
— 一途な幸せ (@tommm_jp) 2017年12月12日
上の例では、空き家となった再建築不可の物件をリフォーム行う番組ですね。再建築不可である代わりに都心の一等地を非常に安く購入して、リフォームを行うケースによるものです。
建て替えは出来ないですが、リフォームということであれば可能なのでそう言った人を気長に待って売却活動をするのもよいのではないでしょうか。
抜け道②:接道している隣地土地を購入する
これはタイミングがよくないとできないことですが、あなたの土地が接道義務を果たしていないことで再建築不可となっているのであれば、隣地の道路に面している土地を購入して接道義務を果たすことができれば、再建築不可の制限から外れることができます!
もしくは、購入ではなく隣地の土地と等価交換をする方法もあります。隣地の接道している部分と引き換えに、今の再建築不可となっている土地の面積を交換する手法です。
タイミングにもよりますが、近所が懇意にお付き合いをしていることなどがあれば、実現性がより高まり再建築不可の制限を取ることができるかもしれません。
抜け道③:業者に買い取ってもらう
再建築不可の物件を売却するには、様々な手続きや調整、労力を必要とします。そして取引をまとめる時間もかかることから、売却して現金化をするには時間がかかります。
そのため、再建築不可の土地を業者に買い取ってもらう方法もあります。多くはないですが、再建築不可の土地を買取ってくれる業者もあります。
ただし、その再建築不可に将来性があるかどうかを判断されたうえで買取可否を考慮されることになるとおもいます。つまり、再建築不可ではあるが、都心などで一等地であることなどが該当します。
抜け道④:隣地と合筆してもらう
これはかなり隣地(近所)と懇意にしている場合でなければ難しいと思いますが、もし接道義務を果たした隣地とあなたの土地を一緒のものとして申請(合筆)してしまえば、接道義務を果たしていることも可能になります。
具体的に言うと、再建築不可の土地は周りに囲まれた袋地になっていることが多いです。その袋地を囲った土地とあなたの土地が一緒の土地であれば、接道義務は一つの土地が果たしていればよいため、一緒の土地として変更をすることで接道義務を果たすことができる場合があります。
抜け道⑤:接道義務の例外許可を申請する
建築基準法の観点から幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければ、原則として新しい建物を建てることはできません。(建築基準法43条)
ただし、ある一定の条件下で接道が2メートル未満であっても,例外的に建築を許可されるという制度があります(建築基準法43条1項ただし書)。
必ずしもすべてが許可されるわけではありませんが、接道義務の例外の許可申請をしてみる!という方法を試されるのも解決策の一つとしてトライされるのもよいと思われます。
再建築不可物件の売却方法
再建築不可物件の売却方法は、まず一括査定で価格相場を知ることが最初のステップです。再建築物件は一般的に5割~7割程度市場価格から安くなることが考えられます。また、再建築不可物件を購入できる人は多くありませんので、再建築不可物件の買い取り業者に任せる方法も売却選択肢の1つです。ただし、必ずしも再建築不可物件買取り業者が高値で売れるとは限りませんので、まずは一括査定で価格相場を知ることがおススメです。
再建築不可物件の売却方法については、下記記事で解説していますので併せてご確認ください。
まとめ
今回紹介した再建築不可物件は、物件としてのクセが強いため売却をするには苦戦が強いられる傾向にあります。
そのため売却をすることのメリットとデメリットを紹介しました。
そして、再建築不可の物件はそのままで売却するのではなく、抜け道もあります。そのため相場通りの取引価格で売却するために抜け道を検討するのも良いのではないでしょうか。